㈜아이스트

X-RAY LINE DETECTOR

AiSTは産業用X線ラインディテクタの専門メーカーです

 
技術情報  

X線ラインディテクタの基本原理から製品選定や検査条件の設定まで、
産業用X線検査システムを理解するための主要な技術情報をまとめています。

技術ガイド

X線ラインディテクタを理解するための主要テーマ

単なる製品仕様の一覧ではなく、X線ラインディテクタがどのように動作するのか、 また、製品を選定し、検査条件を設定する際にどのような点を確認すべきかを順に解説します。

01 · 基本原理

X線ラインディテクタとは?

X線ラインディテクタは、検査対象を透過したX線をリニアセンサーで受け、1ライン分のデータを連続的に取得します。 検査対象の移動に合わせて取得したラインデータを順次結合することで、2次元X線画像を構成します。

X線発生源
01

X線照射

X線発生源から検査対象に向けてX線を照射します。

X線が透過する検査対象
02

X線透過

X線は検査対象を透過する際、材質の組成、密度、厚さなどによって減衰量が異なります。

X線ラインディテクタ
03

透過X線の検出

検査対象を透過したX線を、コンベア下部に設置されたラインディテクタが検出します。

X線画像データ
04

画像データの構成

連続して取得したラインデータを結合し、最終的なX線画像を構成します。

検査システム内での配置とデータの流れ

ラインディテクタはX線発生源と対向するようにコンベア下部へ設置され、 検査対象を透過したX線強度の変化をラインデータとして取得します。

X線発生源、検査対象、コンベア、ラインディテクタによるX線検査構成

X線検査の構成

X線発生源は検査対象の上部、ラインディテクタはコンベア下部に配置されます。 検査対象を透過したX線がディテクタに到達し、対象の移動に合わせて同じ検出位置から連続的にデータを取得します。

ラインデータからX線画像を構成する流れ

ラインデータからX線画像へ

1回の取得で1ライン分のデータが生成されます。 検査対象の移動に合わせて次のラインを繰り返し取得し、それらを順に積み重ねることで2次元X線画像を構成します。

01

固定配置のディテクタ

ディテクタは検査位置に固定され、検査対象がコンベア上を移動します。

02

ラインデータの連続取得

検査対象の移動に合わせ、同じ検出位置からラインデータを繰り返し読み取ります。

03

2次元画像を構成

時間順に取得した複数のラインを結合し、検査画像全体を構成します。

02 · エネルギー方式

シングルエナジーとデュアルエナジー

どちらも検査対象を透過したX線を検出しますが、取得する情報の種類が異なります。 シングルエナジーは1種類の画像データを使用し、デュアルエナジーは低エネルギー/高エネルギーのデータを組み合わせて材質差の分析に活用します。

シングルエナジーX線検出方式
シングルエナジー

1種類のX線画像データ

透過X線の減衰情報を1種類の画像データとして取得します。 一般的な透過画像検査や異物検出、各種産業用X線検査に幅広く使用される方式です。

  • 1種類の画像データを取得
  • 一般的な透過画像検査に適用
  • AiST TECH製品:FLIES C
デュアルエナジーX線検出方式
デュアルエナジー

低エネルギー・高エネルギーデータを併用

同じ検査対象から低エネルギー(LE)と高エネルギー(HE)のデータを取得します。 エネルギーによる減衰特性の違いを利用することで、シングルエナジー画像では区別しにくい材質の識別に有用な情報を得られます。

  • 低エネルギー(LE)・高エネルギー(HE)データを取得
  • エネルギーによる減衰特性の違いを利用した材質分析
  • AiST TECH製品:MiUS D
MiUS Dのデュアルエナジー方式

MiUS Dは1つのX線検査システム内で低エネルギー(LE)と高エネルギー(HE)のデータを取得し、 エネルギーごとの減衰特性の違いを材質識別に活用します。

03 · 主要仕様

ピクセルピッチと検査幅

ラインディテクタを選定する際は、どの程度細かな構造を識別する必要があるかに加え、 生産ライン上でどの幅まで一度に検査する必要があるかを確認することが重要です。

A

ピクセルピッチ

ピクセルピッチは、隣接する検出素子間の間隔です。 一般にピッチが小さいほど微細構造の描出に有利ですが、 実際の検出性能はX線条件、検査対象の厚さ、検査速度などを含む複数の条件によって決まります。

0.2 mmDANO T 0.4 mmFLIES C · MiUS D 0.8 mmFLIES C · MiUS D
B

有効領域

有効領域は、X線を実際に検出できるセンサー領域です。 必要な長さは検査幅や設置構造に応じて選定する必要があり、 対応する長さは製品シリーズによって異なります。

必要検査幅+設置余裕
FLIES C

シングルエナジー

ピクセルピッチ
0.4 / 0.8 mm
有効領域
256.9 / 411.1 / 616.7 mm
MiUS D

デュアルエナジー

ピクセルピッチ
0.4 / 0.8 mm
有効領域
256.9 / 410.8 / 616.7 mm
DANO T

高解像度TDI

ピクセルピッチ
0.2 mm
有効領域
256.9 / 411.1 / 616.7 mm
04 · 検出性能

検出性能に影響する要因

最終的な検出性能は、ディテクタのピクセルピッチや感度だけで決まるものではありません。 検査対象、X線・取得条件、搬送速度、キャリブレーション、画像処理など、システム全体の条件を考慮する必要があります。

01

材質と厚さ

X線の減衰量は材質の組成、密度、厚さによって変化します。これらの要因は、検査対象と検出したい材質・特徴とのコントラストにも影響します。

02

X線照射・取得条件

管電圧はX線の透過性に、管電流はX線量に、積分時間はディテクタが取得する信号量に影響します。検査対象に合わせて各条件を最適化する必要があります。

03

検査速度

搬送速度とラインデータの取得レートが適切に合っていない場合、画像の縦横比や信号品質に影響することがあります。

04

キャリブレーションと画像処理

オフセット・ゲインキャリブレーションと適切な後処理設定は、センサーばらつきを抑え、画像の安定性を高めるうえで重要です。

実サンプルによる評価が重要な理由

同じディテクタでも、検査対象やX線条件が変われば結果も変化します。 最終的な製品選定の前に、実際のサンプルを目標搬送速度で測定し、画像品質を確認することが重要です。

製品選定ガイド

検査目的に合ったラインディテクタの選定

検査目的によって、必要な画像情報や解像度は異なります。 以下の基準からAiST TECHの製品シリーズを比較できます。

シングルエナジー

FLIES C

一般的な産業用X線透過検査や異物検査に適したシングルエナジーX線ラインディテクタです。

  • 0.4 / 0.8 mmピクセルピッチ
  • 複数の有効領域から選択可能
  • 一般的な産業用検査システムに対応
FLIES C製品を見る
高解像度TDI

DANO T

0.2 mmピクセルピッチを採用し、高解像度X線画像が求められる検査に適したTDI X線ラインディテクタです。

  • 0.2 mmピクセルピッチ
  • 微細構造の可視化
  • 高解像度検査に対応
DANO T製品を見る
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