画像形成はX線源・対象物・ディテクタの配置から始まる
X線源から発生したX線は、検査対象を通過する際に位置ごとに異なる程度の減弱を受けます。材質、組成、密度、厚さが異なる部分では透過強度も異なり、対象物の後方に配置されたディテクタがこの空間的な透過信号の差を測定します。
したがって、X線画像の最も基本的な情報は、対象物を通過してディテクタに到達したX線強度の位置ごとの差です。散乱線がディテクタに入射したり、X線源のスペクトルや検査ジオメトリが変化したりすると、測定信号や画像コントラストにも影響します。
ディテクタはX線をデジタル信号に変換する
代表的な間接変換型X線ディテクタでは、シンチレータが入射X線エネルギーの一部を可視光に変換し、フォトダイオードがその光を電気信号に変換します。その後、読み出し回路とA/Dコンバータを経て、各ピクセルの信号がデジタル値として出力されます。
ディテクタ方式によって変換構造は異なります。例えば直接変換型ディテクタでは、シンチレータを介さず、X線によって生成された電荷を直接収集します。そのため、X線画像が形成される基本原理は共通でも、X線を電気信号に変換する詳細な過程はディテクタ技術によって異なります。
ラインスキャンデータが2次元画像になるまで
X線ラインディテクタは、1回の取得でディテクタ長手方向の1次元ラインデータを取得します。対象物が一定速度で移動し、ライン取得が一定周期で行われると、各ラインは移動方向の異なる位置に対応します。
このように連続取得したラインデータを移動順に積み重ねると、横方向にディテクタのピクセル配列、縦方向に対象物の移動に伴う時間・位置情報を持つ2次元X線画像が形成されます。移動方向の空間サンプリングはコンベア速度とラインレートの関係に左右されるため、両者を併せて設定する必要があります。
ピクセル値と画像の明るさ・コントラスト
各ピクセルのデジタル値は、ディテクタに到達したX線信号とディテクタの応答を反映します。一般に、対象物で大きく減弱した位置と減弱が小さい位置との信号差が、画像コントラストの基礎になります。ただし、実際の表示画像ではキャリブレーション、ゲイン / オフセット補正、正規化、画像処理などが適用されることがあります。
また、透過信号が高い部分を画面上で明るく表示するか暗く表示するかは、表示規則やソフトウェア設定によって変わります。そのため、X線画像の特定領域が明るい、または暗いという事実だけで物理的な意味を判断せず、使用しているデータ処理方法と表示方式も併せて確認する必要があります。
画質を決める主な要因
最終的なX線画質は、透過コントラストだけで決まりません。X線源のエネルギーと出力、対象物の減弱特性、ディテクタのピクセルピッチと感度、積分時間、ラインレート、散乱線、電子ノイズなどが同時に影響します。
さらに、ディテクタキャリブレーション、欠陥ピクセル補正、信号正規化、後処理も画像の均一性や視認性に影響します。したがって、産業用検査システムでは、X線源、対象物、ディテクタ、機械条件、データ処理工程を一つのシステムとして総合的に最適化する必要があります。
- X線画像の基本情報は、対象物を透過した後にディテクタへ到達するX線強度の位置ごとの差です。
- 間接変換型ディテクタでは一般に、シンチレータ、フォトダイオード、読み出し回路、A/D変換を通じてX線をデジタルピクセルデータに変換します。
- ラインディテクタは1回に1次元ラインデータを取得し、移動中に繰り返し取得したラインを順番に積み重ねて2次元画像を形成します。
- 画像の明暗表示はソフトウェアによって反転できるため、表示規則とRAW信号の意味を区別して考える必要があります。
- 画質は、X線源、対象物、ディテクタ、スキャン条件、キャリブレーション、画像処理の影響を総合的に受けます。
- IAEA — Diagnostic Radiology Physics: A Handbook for Teachers and Students, sections on digital X-ray imaging, image receptors and image quality.
- IAEA — Design, Development and Optimization of a Low Cost System for Digital Industrial Radiology, IAEA Radiation Technology Reports No. 2.




